●平成1年に出された知財事件の最高裁判決

 本日は、平成1年に出された知財事件で、裁判所HP(http://www.courts.go.jp/)に掲載されている最高裁判決1件について、下記の通り、簡単に紹介します。


●『昭和61(行ツ)160 審決取消 特許権 行政訴訟「第3級環式アミン事件」平成1年11月10日 最高裁判所第二小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/6717EE9E3CC83B6149256A8500311EDB.pdf)・


 ・・・『 特許を受ける権利を有する者が、特定の発明について特許出願した結果、その発明が公開特許公報に掲載されることは、特許法三〇条一項にいう「刊行物に発表」することには該当しないものと解するのが相当である。


 けだし、同法二九条一項のいわゆる新規性喪失に関する規定の例外規定である同法三〇条一項にいう「刊行物に発表」するとは、特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に刊行物に発表した場合を指称するものというべきところ、公開特許公報は、特許を受ける権利を有する者が特許出願をしたことにより、特許庁長官が手続の一環として同法六五条の二の規定に基づき出願にかかる発明を掲載して刊行するものであるから、これによって特許を受ける権利を有する者が自ら主体的に当該発明を刊行物に発表したものということができないからである。


 そして、この理は、外国における公開特許公報であっても異なるところはない。』、等と判示した最高裁判決。