●昭和55年01月24日「食品包装容器事件」 最高裁判所第一小法

 本日は、先日取り上げた、『平成22(行ケ)10191 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「アルミニウム溶接用二波長レーザ加工光学装置およびアルミニウム溶接用レーザ加工方法」平成22年11月17日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20101118115318.pdf)の判決文中で引用されていた、最高裁判決である、●『昭和54(行ツ)2 審決取消 実用新案権 行政訴訟「食品包装容器事件」昭和55年01月24日 最高裁判所第一小法』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121522946823.pdf)ついて取り上げます。


 つまり、本最高判決は、

 『実用新案登録の無効についての審決の取消訴訟においては、審判の手続において審理判断されていなかつた刊行物記載の考案との対比における無効原因の存否を認定して審決の適法、違法を判断することの許されないことは、当裁判所の判例の趣旨とするところであるが(最高裁昭和四二年(行ツ)第二八号同五一年三月一〇日大法廷判決・民集三〇巻二号七九頁参照)、審判の手続において審理判断されていた刊行物記載の考案との対比における無効原因の存否を認定して審決の適法、違法を判断するにあたり、審判の手続にはあらわれていなかつた資料に基づき右考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)の実用新案登録出願当時における技術常識を認定し、これによつて同考案のもつ意義を明らかにしたうえ無効原因の存否を認定したとしても、このことから審判の手続において審理判無効原因の存否を認定して審決の適法、違法を判断したものということはできない。


 本件についてこれをみるのに、原審は、所論の乙一号証の二により当業者の右実用新案登録出願当時における技術常識を認定し、これにより審判の手続において審理判断されていた第三引用例に本件考案における密封包装の技術が開示されていると認定して本件考案が第一ないし第三引用例からきわめて容易に考案することができたとした審決の判断を支持したものであることは、原判文に照らして明らかであるから、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。』


 と判示されています。