●平成23(行ケ)10299 審決取消請求事件 特許権「無線によるエンジ

  本日は、『平成23(行ケ)10299 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「無線によるエンジン監視システム」平成24年6月26日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120629155020.pdf)について取り上げます。


 本件は、拒絶審決の取り消しを求めた審決取消請求事件で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、取消事由1(本件補正却下の違法性)についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、知財高裁(裁判長裁判官 芝田俊文、裁判官 西理香、裁判官 知野明)は、


『1取消事由1(本件補正却下の違法性)について

 審決は,本件補正は,特許請求の範囲の減縮に当たらない上,請求項の削除,誤記の訂正,明りょうでない記載の釈明を目的としたものではないから,旧特許法17条の2第4項1号ないし4号のいずれにも該当しないとして,これを却下した。しかし,審決の上記判断には誤りがある。すなわち,旧特許法17条の2第4項は,特許請求の範囲についてする補正に係る規定であるところ,本件補正は,前記第2の3記載のとおり,明細書の段落【0011】の「追跡する」の後に,英語で追跡を意味する語である「track」を付け加えるものであって,特許請求の範囲についてする補正に当たらない。これに対し,被告は,本件補正は,実質的に特許請求の範囲についてする補正であり,旧特許法17条の2第4項が適用される旨主張するが,明細書の記載に係る補正に同条同項の適用があると解することはできず,主張自体失当である。


 したがって,審決の本件補正却下の判断には誤りがある。もっとも,審決は,本件補正を却下する一方で,予備的に,本件補正が適法であるとしても,本願補正発明は,引用文献に記載された発明及び周知技術に基づき,容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないと判断しているので,進んでこの点について検討することとする。』

 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。