●平成21(ワ)16490 商標権侵害差止等請求事件「ポリマーガード」

本日は、『平成21(ワ)16490 商標権侵害差止等請求事件「ポリマーガード」平成23年07月21日 大阪地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110729094006.pdf)について取り上げます。

 本件は、商標権侵害差止等請求事件で、その請求が認容された事案です。

 本件では、争点1(被告商品と本件登録商標1の指定商品の類否)および争点2(被告各標章と本件各登録商標の類否)についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、大阪地裁(第26民事部 裁判長裁判官 山田陽三、裁判官 達野ゆき、裁判 西田昌吾)は、


『1争点1(被告商品と本件登録商標1の指定商品の類否)について

(1) 法37条1号の規定する指定商品に類似する商品に当たるかどうかは,それらの商品自体に取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく,通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により,同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるかどうかにより判定すべきものである。

(2)本件についてみると,甲29の1ないし3,乙20,84ないし88によれば,被告らが最大の取引先であるとする「トップネットグループ」を構成する5社は,いずれも「塗料の販売」を目的の一つとする会社であることが認められる。このうち伊丹塗料株式会社を除いて,いずれも土木建設工事等も目的とし,現に業として実施していることも認められる。

 そうすると,本件登録商標1の指定商品である塗料と被告商品とは,通常同一営業主により製造又は販売されていることが認められるのであり,この認定を覆すに足りる証拠はない。

 したがって,同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるということができるから,この点に関する原告の主張は理由がある。

(3)なお,被告商品と本件登録商標2の指定商品が類似することについては,当事者間に争いはない。


2争点2(被告各標章と本件各登録商標の類否)について

 本件各登録商標は,いずれも片仮名ゴシック体で「ポリマーガード」と表記されたものである。

 被告各標章は,別紙標章目録記載のとおりであり,いずれも「ポリマーガード」もしくは「PolymerGuard」(イタリック体のものを含む。)を含み,その後尾に,被告標章2は「アルファ」もしくは「α」が,被告標章3は「ベータ」もしくは「β」が,被告標章4は「K100」が,被告標章5は「?」が,被告標章7は斜めに傾いた「?」が,被告標章8はゴシック体の「α」が付加しているものであるが,いずれも,「ポリマーガード」もしくは「PolymerGuard」が要部というべきである。

 そして,英語表記のものとは外観において異なるが,それ以外においては,外観において類似もしくは一致し,称呼,観念において一致しており,被告各標章と本件各登録商標は類似する。』

 と判示されました。

 詳細は、本判決文を参照して下さい。