●平成22(行ケ)10260 審決取消請求事件 特許権「直噴エンジン」

 本日は、『平成22(行ケ)10260 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟直噴エンジン平成23年01月31日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110201093821.pdf)について取り上げます。


 本件は、拒絶審決の取消を求めた審決取消請求事件で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、取消事由1(引用発明の認定等の誤り)についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、知財高裁(第3部 裁判長裁判官 飯村敏明、裁判官 齊木教朗、裁判官 武宮英子)は、


『第4 当裁判所の判断

1 取消事由1(引用発明の認定等の誤り)について


 ・・・省略・・・


(3) 原告の主張に対して

 原告は,引用発明では,?直噴する燃料について,水蒸気対燃料蒸気の量の比に関して,1:1から3:1までの限定がされていること,?燃料を直噴する範囲が露点温度(なお,原告は,水が凍る温度と同義と理解して主張する。)より下であるとの限定がされていることも相違点として挙げるべきであると主張する。


 しかし,原告の主張は,以下のとおり失当である。すなわち,出願に係る発明における特許請求の範囲と先行発明との間で,技術的な性質を同じくする発明特定事項について,出願に係る発明の方が先行発明より,広範な範囲を対象として規定しているような場合には,特段の事情のない限り,その発明特定事項に関する相違点には当たらない。したがって,相違点を看過したことにはならない。


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。