●平成21(行ケ)10357 審決取消請求事件 特許権「建具用ランナー」

 本日は、『平成21(行ケ)10357 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「建具用ランナー」平成22年07月28日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100802130506.pdf)について取り上げます。

 本件は、特許無効審決の取消を求めた審決取消訴訟で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、原告らの主張に対する補足的判断が参考になると思います。
 

 つまり、知財高裁(第2部 裁判長裁判官 中野哲弘、裁判官 清水節、裁判官 古谷健二郎)は、


『・ 原告らの主張に対する補足的判断

a 原告らは,引用発明の下部ケース部は,ロックレバー39のほかに,側板部36a,36b,支軸37,係止軸38及びコイルスプリング46という5部材から成る複雑な構造を有しているのに,これを捨象して,ロックレバーのみを上位概念化し,一致点として認定したことは誤りである旨主張する(取消事由3?Aa)。


 しかし,進歩性判断の前提として公知文献に記載された発明を認定する場合,本件特許発明との対比に必要な範囲内で発明を認定すれば足りるのであって,細かな部材まで認定する必要はないというべきである。


 これを本件についてみるに,原告らの主張する側板部等の構造は,ロックレバーが回動附勢される仕組みの詳細に関するものであるか,又はロックレバーとローラケース本体とが別体であることの詳細に関するものであって,本件特許発明との対比に必要とはいえない。


 そして,審決における引用発明中のロックレバーに関連する認定や,本件特許発明との一致点・相違点に関する認定が相当であることは前判示のとおりである。


 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。』

 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。