●平成21(行ケ)10185 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟

『平成21(行ケ)10185 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「メロディのデータの提供方法」平成22年03月24日 知的財産高等裁判所』 (http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100325142725.pdf)について取り上げます。


 本件は、拒絶審決の取消しを求めた審決取消し訴訟で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、進歩性における引用発明1と引用発明2の組合せについての判断が参考になるかと思います。


つまり、知財高裁(第2部 裁判長裁判官 中野哲弘、裁判官 森義之、裁判官 澁谷勝海)は、


『ア引用発明1と引用発明2の組合せ

 引用発明1と引用発明2は,ともに,(i)無線受信機という同一の技術分野に属し,(ii)新たな着信時の報知音として使用されるメロディのデータを取得することを目的としている点で,発明の課題が共通し,(iii)着信時の報知音として使用するメロディのデータを取得して記憶部に格納する点で,機能・作用も共通しているから,引用発明1と引用発明2を組み合わせることができるというべきである。

 原告は,引用発明2の目的は,無線受信機の外部からメロディのデータを供給して再プログラムして置き換える点にあり,ユーザーが選択呼出受信機で自ら好みのメロディを作曲するという引用発明1の目的とは反すると主張するが,引用発明1と引用発明2には,原告が主張するような違いがあるとしても,そのことをもって,引用発明1に引用発明2を結びつけることに阻害要因があるということはできず,引用発明1と引用発明2には,上記のとおり共通点があるから,それらを組み合わせることができるというべきである。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。