●平成21(ワ)6505 損害賠償請求事件 特許権

 本日は、『平成21(ワ)6505 損害賠償請求事件 特許権流動性を有する食品材料の連続加熱装置」平成22年01月22日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100204155207.pdf)について取り上げます。


 本件は、損害賠償請求事件で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、争点(5)(対抗主張〔訂正審判請求〕)についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、東京地裁(民事第40部 裁判長裁判官 岡本岳、裁判官 中村恭、裁判官 坂本康博)は、


『2 争点(5)(対抗主張〔訂正審判請求〕)について

 原告は,第2の2(7)の経緯により平成21年11月19日付け原告準備書面(3)をもって,本件訂正発明には無効理由がなく,かつ,被告製品は訂正発明の技術的範囲に属すると主張し,これに対し,被告は,原告の上記主張は,時機に後れた攻撃防御方法であるから却下されるべきであると主張する。


 そこで検討するに,原告は,既に第1回口頭弁論期日において被告らから乙6刊行物記載の発明が本件特許発明と同一の発明であるとして乙6刊行物を提示されたのに対して,両発明が同一ではないとの主張を終始維持し続けていたにもかかわらず(主張を変更することを妨げる事情は何ら認められない。),弁論準備手続終結後になって訂正審判請求をした上で,最終口頭弁論期日に,この訂正により乙6刊行物記載の発明には本件特許発明と相違点が生じ無効理由がない旨の上記主張に及んだものである。そして,このことについてやむを得ないとみられる合理的な説明を何らしていない。


 したがって,原告の上記主張は,少なくとも重大な過失により時機に後れて提出したものというほかなく,また,これにより訴訟の完結を遅延させるものであることも明らかである。


 よって,原告の上記主張は,民事訴訟法157条により,これを却下する。


3 まとめ

 以上のとおりであるから,本件特許発明は,乙6刊行物記載の発明であり,新規性を欠く発明であるから,特許無効審判により無効にされるべきものと認められる。


 したがって,特許法104条の3により,原告は,被告に対し,本件特許権を行使することができない。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照してください。