●最近出された意匠権侵害事件

Nbenrishi2009-11-11

 平成21年度の弁理士試験に最終合格された方(http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/benrisi_goukaku.htm)、おめでとうございます。

 さて、一昨日は、意匠権侵害事件について紹介しましたので、意匠権侵害事件のまとめように、最近出された意匠権侵害事件についてピックアップしておきます。


●『平成21(ワ)2726 意匠権侵害差止等請求事件 意匠権 民事訴訟「長靴」平成21年11月05日 大阪地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20091106132344.pdf)

● 『平成20(ワ)13282 損害賠償 意匠権 民事訴訟「医療検査用細胞容器」平成21年07月23日 大阪地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090803143848.pdf)

●『平成20(ワ)1089 意匠権侵害差止等請求事件 意匠権 民事訴訟「衣料用ハンガー」平成20年10月30日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081105114721.pdf)、

● 『平成18(行ケ)10084 謝罪広告等請求控訴事件 意匠権 民事訴訟「ゴルフ用ボールマーカー」平成19年03月27日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070328112638.pdf)

●『平成18(ネ)448 意匠権侵害差止等請求控訴事件 意匠権 民事訴訟「手さげかご」平成18年08月30日 大阪高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060831101149.pdf)

●『平成18(ワ)13406 謝罪広告等請求事件 意匠権 民事訴訟「ゴルフ用ボールマーカー」平成18年10月30日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20061030175415.pdf)

●『平成18(ワ)7014 意匠権侵害差止等請求事件 意匠権 民事訴訟「ブロックマット」平成18年12月21日 大阪地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20061222095935.pdf)


 なお、これらの裁判例では、意匠の類似範囲について、

意匠の類否を判断するにあたっては,意匠に係る物品の性質,用途,使用態様,さらには公知意匠にない新規な創作部分の存否等を参酌して,意匠に係る物品について需要者の注意を惹きつける部分を意匠の要部として把握し,両意匠が要部において構成態様を共通にするか否かを中心に観察して,両意匠が全体として美感を共通にするか否かを判断すべきものである。

 とか、

登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は,需要者(取引者も含む)の視覚を通じて。起こさせる美感に基づいて行われるものであるから(意匠法24条2項),その判断に当たっては,両意匠の形態の異同が,当該物品の目的,用途及び使用態様等に照らして需要者が注目し得る部分における意匠上の形態に係るものであるかどうか,当該登録意匠の出願時点における公知意匠等を参酌して需要者に新規な美感をもたらし得る形態に係るものであるかといった観点から,両意匠が全体として美感を共通にするか否かを検討するのが相当である。

や、

意匠の類否の判断は,当該意匠に係る物品の看者となる取引者,需要者において,視覚を通じて最も注意を惹かれる部分である要部を対象となる意匠から抽出した上で,登録意匠と被告意匠とを対比して,要部における共通点及び差異点をそれぞれ検討し,全体として,美感を共通にするか否かを基本として行うべきものである。そして,上記の判断に当たっては,当該意匠の出願時点における公知又は周知の意匠等を参酌するなどして,これを検討するのが相当である。 』

 というように、修正混同説を採用しているようです。