●平成21(行ケ)10130  審決取消請求事件 特許権 行政訴訟

Nbenrishi2009-10-15

 本日は、『平成21(行ケ)10130 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「酸化チタン系熱放射性塗料」平成21年10月13日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20091014154554.pdf)について取り上げます。


 本件は、特許無効審判の請求の棄却審決の取り消しを求めた審決取消訴訟で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、まず、本案前の主張である訴訟適格についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、知財高裁(第4部 裁判長裁判官 滝澤孝臣、裁判官 高部眞規子、裁判官 杜下弘記)は、

『1 本案前の主張について

 被告は,本件訴えについて原告の法律上の利益は存しないから,本件訴えは却下されるべきであると主張する。


 しかしながら,特許法123条2項本文は,「特許無効審判は,何人も請求することができる。」と規定し,同項ただし書をもって,「特許が前項第2号に該当すること…又は同項第6号に該当することを理由とするものは,利害関係人に限り請求することができる。」と規定するにどまるところ,原告を請求人とする本件無効審判請求は同条1項2号又は6号に該当することを理由とするものではない。


 そうすると,本件無効審判の請求人が利害関係人に限られるものではなく,これを前提に,本件審決は,原告による本件無効審判請求を成り立たないとしたものであるから,特許法178条2項に基づいて,本件無効審判の請求人である原告に本件審決の取消しを求める本件訴えの当事者適格が認められることになるのであって,原告が法律上の利益を有することは明らかである。


 したがって,被告の本案前の主張を採用することはできない。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照してください。