●意匠権侵害事件における「意匠の類似」の判断(3)

 ちなみに、知財高裁事件の、●『平成18(行ケ)10084 謝罪広告等請求控訴事件 意匠権 民事訴訟「ゴルフ用ボールマーカー」平成19年03月27日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070328112638.pdf

 では、


『イ本件登録意匠の要部

 意匠の類否判断に当たっては,意匠全体の観察を要するものの,意匠に係る物品の各部位における構成に対する判断の比重がすべて等しいというわけではなく,取引者・需要者の注意を最も惹きやすい部分を意匠の要部として把握し,両意匠が要部において構成態様を共通にするか否かを中心に観察して,両意匠が全体として美感を共通にするか否かを判断すべきものである。


 そして,この場合に,意匠の要部は,意匠に係る物品の性質,用途,使用態様等を考慮するほか,その意匠の各部が公然知られた意匠に係るものと同一の意匠に係る部位であるか,新規な創作の意匠に係る部位であるか等を斟酌して,認定すべきものである。


 したがって,意匠の要部の認定は,意匠に係る物品の取引者・需要者がどのような者であるか,その用途や使用態様がどのようなものであるか,意匠の各部位が公然知られたものであるか否か等の事実の認定を経て行うこととなるものである。』


 と判示されています。