●平成20(行ケ)10482 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟

 本日は、『平成20(行ケ)10482 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟忠臣蔵」6月25日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090625152830.pdf)について取り上げます。


 本件は、本件商標がその指定商品中の「米」について原告によって使用されていたものと認めることができず、不使用取消審判により取り消された認容審決の取消しを求めた審決取消し訴訟で、その請求が認容された事案です。


 本件では、原告の法50条にいう本件商標の使用の有無についての判断等が参考になるかと思います。


 つまり、知財高裁(第4部 裁判長裁判官 滝澤孝臣、裁判官 高部眞規子、裁判官 杜下弘記)は、

2 原告の法50条にいう本件商標の使用の有無

(1) 法50条にいう「使用」の意義

 法50条1項は「継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品…についての登録商標…の使用をしていないときは,何人も,その指定商品…に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」と規定するところ,法2条3項は,ここにいう「使用」とは,同項各号が掲げる行為であると規定し,同項1号は「商品又は商品の包装に標章を付する行為」を,同項2号は「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為」を例示している。

(2) 原告による本件商標の使用の有無

ア 原告は,上記1で認定した事実によると,本件米を株式会社純情米いわてから購入し,これを顧客に販売していたものであり,本件米は,株式会社純情米いわてから仕入れたものであっても,これをいわば「転売」していた原告の「商品」であるということもできるところ,本件袋は本件米の「包装」であって,本件袋に「忠臣蔵」の文字,すなわち,本件商標を表示した本件ラベルを貼付する行為は,本件米の包装に「標章」を付する行為に当たるということができる。


 そして,また,原告は,証拠(甲20の1〜3)によると,本件審判請求登録日の前1ないし2か月の間にも顧客から葉書による注文を受けていることが認められるほか,上記1(1)のとおり,本件審判請求登録日前の約3年間における原告による本件米の購入量が108袋であったことも考慮すると,原告は,本件審判請求登録日前3年以内において,指定商品である「米」の包装に標章を付するとともに,当該「米」の包装に標章を付したものを譲渡していたものと推認することができる。

 ・・・省略・・・

ウ 上記ア及びイによると,本件袋に本件ラベルを貼付して本件米を販売した原告の行為は,法2条3項1・2号に例示された商標の使用に該当する行為であるから,原告は,本件審判請求の登録前3年以内に,本件商標を本件審判請求に係る指定商品「米」に使用したものと認めることができる。』

 
 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。