●平成14年に出された知財事件の最高裁判決(1)

 本日は、平成14年に出された知財事件の最高裁判決で、裁判所HP(http://www.courts.go.jp/)に掲載されている最高裁判決2件について、下記の通り、簡単に紹介します。


●『平成12(受)580 損害賠償等請求事件 特許権 民事訴訟「FM信号復調装置」平成14年09月26日 最高裁判所第一小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/6D9F5E2356ED4BA349256CFA00268738.pdf

・・・「特許権の効力の準拠法に関しては,法例等に直接の定めがないから,条理に基づいて,当該特許権と最も密接な関係がある国である当該特許権が登録された国の法律によると解するのが相当である。」、等と判示した最高裁判決。


●『平成13(受)952 著作権侵害行為差止請求事件 著作権 民事訴訟「中古ゲームソフト事件」平成14年04月25日 最高裁判所第一小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/FADCC2C2E18BC40249256CB5000A074E.pdf

 ・・・『特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国の国内において当該特許に係る製品を譲渡した場合には,当該特許製品については特許権はその目的を達成したものとして消尽し,もはや特許権の効力は,当該特許製品を再譲渡する行為等には及ばないことは,当審の判例とするところであり(最高裁平成7年(オ)第1988号同9年7月1日第三小法廷判決・民集51巻6号2299頁),この理は,著作物又はその複製物を譲渡する場合にも,原則として妥当するというべきである。・・・


 そして, 本件のように公衆に提示することを目的としない家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物の譲渡については,市場における商品の円滑な流通を確保するなど,上記(ア),(イ)及び(ウ)の観点から,当該著作物の複製物を公衆に譲渡する権利は,いったん適法に譲渡されたことにより,その目的を達成したものとして消尽し,もはや著作権の効力は,当該複製物を公衆に再譲渡する行為には及ばないものと解すべきである。』等と判示した最高裁判決。


 なお、本最高裁判決中で引用されている最高裁判決は、『平成7(オ)1988 特許権侵害差止等 特許権 民事訴訟「BBS事件」平成9年07月01日 最高裁判所第三小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/3FD1A34CA50ADF5049256A8500311DB5.pdf)

 です。