●平成20(行ケ)10110審決取消請求事件 特許権「圧胴または中間胴」

 今日から師走に入りました!とにかく忙しいですが、頑張るしかないですね!


 さて、本日は、『平成20(行ケ)10110 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「圧胴または中間胴」平成20年11月27日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081128131649.pdf)について取上げます


 本件は、特許無効審判の棄却審決の取消しを求め、その請求が棄却された事案です。


 本件では、審理不尽についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、知財高裁(第3部 裁判長裁判官 飯村敏明、裁判官 齊木教朗、裁判官 嶋末和秀)は、

(3) 審理不尽について


 原告は,本件審決は,甲1発明ないし甲8発明(特に,甲3発明)やその他の公知技術(甲24など)に基づいて訂正発明1を容易に発明することができたか否かについての十分に検討することを怠ったものであると主張する。


 しかし,以下のとおり,本件審決は相違点3及び4に係る訂正発明1の構成の容易想到性について判断する当たり,甲2文献及び甲3文献について何ら言及しなかった点において,適切さを欠くものというべきであるが,その点は本件審決の結論に影響するものではない。


 ・・・省略・・・


ウ 原告は,本件審決が,甲1発明ないし甲8発明以外の公知技術(甲24など)について,検討しなかったとも主張する。


 しかし,原告の上記主張は失当である。


 そもそも,原告が本件審判の手続において主張した特許法29条2項の無効理由を構成する公知事実以外の公知事実について,本件審決が判断を示す必要はない(最高裁判所昭和42年(行ツ)第28号昭和51年3月10日大法廷判決・民集30巻2号79頁参照)。


 また,甲24は,前判決において,訂正前発明1に含まれる態様のうち,本件訂正により訂正発明1には含まれないこととなった態様との関係で,技術常識を裏付けるものとして言及された文献であり,訂正発明1の容易想到性判断に際して,必ず検討しなければならない文献であるとはいえない。


エ 以上によれば,審理不尽に関する原告の主張は,本件審決を取り消すべき理由とはならない。 』


 と判示されました。


 なお、本判決文で引用されている最高裁判決は、

●『昭和42(行ツ)28 審決取消請求 特許権 行政訴訟「メリヤス編み機事件」昭和51年03月10日 最高裁判所大法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/257A0E4683F7B10749256A85003120BD.pdf

 です。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。