●平成17年に出された知財最高裁判決

 本日は、平成17年に出された知財最高裁判決で、裁判所HP(http://www.courts.go.jp/)に掲載されている最高裁判決について、下記の通り、簡単に紹介します。


●『平成17(行ヒ)106 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「包装され,含浸されたクリーニングファブリックおよびその製造方法事件」平成17年10月18日 最高裁判所第三小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/0572A8376F31CF884925709E0026880B.pdf)


 ・・・特許を無効にすべき旨の審決の取消しを求める訴訟の係属中に,当該特許について特許出願の願書に添付された明細書を訂正すべき旨の審決が確定し,特許請求の範囲が減縮された場合には,特許を無効にすべき旨の審決を取り消さなければならない(最高裁平成7年(行ツ)第204号同11年3月9日第三小法廷判決・民集53巻3号303頁(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081002100355.pdf),最高裁平成10年(行ツ)第81号同11年4月22日第一小法廷判決・裁判集民事193号231頁(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070314111554.pdf)参照)から,本件無効審決は,これを取り消すべきと判示した最高裁判決。


●『平成16(行ヒ)343 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟国際自由学園事件」平成17年07月22日 最高裁判所第二小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/266505E148773C5C49257046002681F8.pdf


・・・商標法4条1項8における他人の名称の著名な略称に該当するか否かは、問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当でなく,その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきである、と判示した最高裁判決。


●『平成16(行ヒ)4 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟「eAccess事件」平成17年07月14日 最高裁判所第一小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/055C4ABC55F0BA7049257124002698D7.pdf


 ・・・拒絶審決に対する訴えが裁判所に継続している際、商標法10条1項の規定に基づいて分割出願をした場合、その分割出願と同時にする元の商標登録出願の願書から指定商品の削除等の補正は、出願時まで遡及しない、と判示した最高裁判決。


●『平成15(行ヒ)353 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟RUDOLPH VALENTINO事件」平成17年07月11日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/58ECD5D69ECF46F44925703B0026A536.pdf


 ・・・4条1項15号違反を理由とする商標登録の無効の審判請求が除斥期間を遵守したものであるためには,47条に規定する除斥期間内に提出された審判請求書に請求の理由として当該商標登録が15号の規定に違反するものである旨の主張の記載がされていれば足り,15号の規定に該当すべき具体的な事実関係等に関する主張が記載されていることまでは要しない、と判示した最高裁判決。


●『平成16(受)997 特許権侵害差止請求事件「生体高分子−リガンド分子の安定複合体構造の探索方法事件」平成17年06月17日 最高裁判所第二小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20071105165642.pdf


 ・・・特許権に専用実施件を設定した場合でも、特許権者に特許法100条の差止請求権が認められる、と判示した最高裁判決。