●平成19(行ケ)10277 審決取消請求事件 商標権「PARIS」

 本日は、『平成19(行ケ)10277 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟「PARIS」平成20年08月29日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080901120033.pdf)について取上げます。


 本件は、被告が有する「PARIS」の商標登録について,原告が不使用による取消しの審判を請求したところ,特許庁が請求不成立の審決をしたので,原告がその取消しを求め、その請求が認容された事案です。


 本件では、商標登録の不使用取消審決の取消訴訟における当該登録商標の使用の事実の立証は、事実審の口頭弁論終結時に至るまで許される、と判示した平成3年4月23日の『昭和63(行ツ)37 審決取消 商標権 行政訴訟 平成3年04月23日 最高裁判所第三小法廷』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/8D886D8FB0D1CDB749256A8500311EA4.pdf)を引用しています。


 つまり、知財高裁(第2部 裁判長裁判官 中野哲弘、裁判官 今井弘晃、裁判官 清水知恵子)は、


2 商標権者等による登録商標使用の有無

(1) 本件は,原告がなした不使用取消しの審判請求(商標法50条)につき特許庁が商標権者による使用の事実が認められるとして請求不成立の審決をなしたことから,請求人たる原告がその審決の取消しを求めた訴訟であるところ,商標法50条2項は「前項の審判の請求があった場合においては,その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。… 」と定め,また商標登録の不使用取消審決の取消訴訟における当該登録商標の使用の事実の立証は事実審の口頭弁論終結時に至るまで許されると解される(最高裁平成3年4月23日第三小法廷判決・民集45巻4号538頁参照)ことから,本件訴訟の口頭弁論終結時までに取り調べられた全証拠により,被請求人である商標権者(被告)において,上記「使用」の事実を証明したと判断されるときは本件不成立審決が維持され,そうでないときは本件不成立審決が取り消されるべきこととなる。


 そして,本件においては,以下に述べる次第で,商標権者たる被告において上記「使用」の事実を証明したということはできないから,本件審決は取り消されるべきこととなる。


(2) 本件における基礎的事実関係

 証拠(各認定事実の末尾に摘示した)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実を認めることができる。


 ・・・省略・・・


オ小括

 以上によれば,被告は,本件商標の登録取消し審判の予告登録がされた平成18年3月27日より前3年以内に日本国内において商標権者である被告ないし専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標を使用していたことを証明していないことになる。


3 結語

 よって,その余について判断するまでもなく原告の請求は理由があるから,原告の請求を認容することとして,主文のとおり判決する。 』

 
 と判示されました。


 本判決文を読むと、原告側は、被告側の本件商標が不使用であることを足をつかい色々と調べていることがわかり、参考になります。


 詳細は、本判決文を参照してください。