●平成19(ワ)19275 損害賠償等請求事件 著作権 民事訴訟(3)

 本日も、『平成19(ワ)19275 損害賠償等請求事件 著作権 民事訴訟「商品形態の模倣」平成20年07月04日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080711092534.pdf)について取上げます。


 本日は、争点(4)の『(原告商品は著作権法により保護される著作物に当たるか)』について取上げます。


 つまり、東京地裁(民事第47部 裁判長裁判官 阿部正幸、裁判官 平田直人、裁判官 瀬田浩久)は、


6 争点(4)(原告商品は著作権法により保護される著作物に当たるか)について

 著作権法2条1項1号は,同法により保護される著作物について,「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」と規定し,同条2項は,「この法律にいう美術の著作物には,美術工芸品を含むものとする。」と規定している。


 これらの規定は,意匠法等の産業財産権制度との関係から,著作権法により著作物として保護されるのは,純粋美術の領域に属するものや美術工芸品であり,実用に供され,あるいは産業上利用されることが予定されているものは,それが純粋美術や美術工芸品と同視することができるような美術性を備えている場合に限り,著作権法による保護の対象になるという趣旨であると解するのが相当である。


 原告商品は,小物入れにプードルのぬいぐるみを組み合わせたもので,小物入れの機能を備えた実用品であることは明らかである。


 そして,原告が主張する,ペットとしてのかわいらしさや癒し等の点は,プードルのぬいぐるみ自体から当然に生じる感情というべきであり,原告商品において表現されているプードルの顔の表情や手足の格好等の点に,純粋美術や美術工芸品と同視することができるような美術性を認めることは困難である。


 また,東京ギフトショーにおいて審査員特別賞を受賞した事実が,原告商品の美術性を基礎付けるに足るものでないことは明らかである。


 したがって,原告商品は,著作権法によって保護される著作物に当たらない。


7 結論

 以上によれば,原告らの本訴請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がないから,いずれも棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 』

と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照してください。