●平成18(行ケ)10388審決取消請求事件 意匠権 「発光ダイオード付き

 本日は、『平成18(行ケ)10388 審決取消請求事件 意匠権 行政訴訟発光ダイオード付き商品陳列台」平成20年01月31日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080206142614.pdf)について取り上げます。


 本件は、意匠法3条1項3号を理由とする無効審決の取消しを求めた訴訟で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、意匠法にいう「意匠」とは,物品の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合であって,視覚を通じて美感を起こさせるものをいうのであるところ,対象となっている物品を分解しなければ見えないような部位は,視覚を通じて美感を起こさせるものとはいえない、等と判示した点で参考になる事案かと思います。


 つまり、知財高裁(第1部 裁判長裁判官 塚原朋一、裁判官 宍戸充、裁判官 柴田義明)は、


『ウ 原告は,相違点(ア)として,本件登録意匠においては,平たい略短円柱状の陳列台本体が内空となっているのに対し,引用意匠では内空であるか否かが不明である点で差異がある旨主張する。


 確かに,本件登録意匠の断面図によれば,本件登録意匠において陳列台本体は内空であるが,当該断面図によれば,陳列台本体の内側は,いわゆる閉じられた空間となっており,当該物品を分解しない限り,陳列台本体が「内空」であることが分からないものである。


 意匠法にいう「意匠」とは,物品の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合であって,視覚を通じて美感を起こさせるものをいうのであるところ,対象となっている物品を分解しなければ見えないような部位は,視覚を通じて美感を起こさせるものとはいえない。


 この点について,原告は,意匠法24条には,登録意匠の範囲は,願書及び願書に添付した図面に記載された意匠に基づいて定めなければならないと規定されているから,本体に組み込まれた状態では外部から視認できない部品の意匠であっても登録意匠の範囲に含まれる旨主張する。


 しかし,上述したとおり,本体に組み込まれた状態では外部から視認できない部品の意匠は,視覚を通じて美感を起こさせる余地がないのである。原告の上記主張は,独自の見解であって,当裁判所の採用の限りでない。  』


 と判示されました。


 詳細は,本判決文を参照してください。


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