●平成18(ワ)4494 特許権侵害差止等請求事件 民事訴訟「防災瓦」

  本日は、『平成18(ワ)4494 特許権侵害差止等請求事件 特許権 民事訴訟「防災瓦」平成19年10月01日 大阪地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20071002113209.pdf)について取り上げます。

 
 本件では、意匠の類比の判断の仕方を判示しています。なお、この類比の判断は、最近の東京地裁知財高裁でも採用されている公知意匠にない新規な創作部分の存否その他の事情を参酌する、いわゆる修正混同説(創作的混同説)というものです。


  つまり、大阪地裁(第26民事部 山田知司 裁判長裁判官)は、


『(2) 本件登録意匠の要部


ア 意匠の類否を判断するに当たっては,意匠を全体として観察することを要するが,その際には,意匠に係る物品の性質,用途,使用態様,さらに公知意匠にはない新規な創作部分の存否その他の事情を参酌して,取引者・需要者の最も注意を惹きやすい部分を意匠の要部として把握し,登録意匠と相手方意匠が,意匠の要部において構成態様を共通にしているか否かを観察することが必要である。


イ そこで,まず,本件登録意匠の要部がどこにあるのかについて検討する。


(ア) 前記争いのない事実に証拠(甲4,7ないし9)及び弁論の全趣旨を併せると,次の事実が認められる。


 ・・・省略・・・

エ したがって,ハ号意匠は,本件登録意匠とその要部において異なり,その結果,本件登録意匠との一致点を凌駕して,これと美感を異にするというべきであるから,本件登録意匠とは非類似である。


(7) 以上によれば,被告物件の製造販売は本件意匠権を侵害するものではないから,意匠権に基づく原告の請求はいずれも理由がない。


4 結論

 以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却し,訴訟費用の負担につき民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。  』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照してください。