●中国情報局『ITUテレコムワールドでみえてきた中国3G』の記事

 天気が良ければいつも軽くサイクリングに行くのですが、今日はずっと雨なので、今はテレビでドーハ・アジア大会の女子マラソンを見ています。中国の周春秀選手がずっとトップです。


 さて、中国情報局の『ITUテレコムワールドでみえてきた中国3G』(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1208&f=column_1208_005.shtml)の記事によれば、


 『第10回世界通信展(ITU TELECOM WORLD 2006)が8日、5日間の会期を終え閉幕した。ITU TELECOM WORLDがスイス以外で開催されるのは今回が初めてで、開幕式には全国人民代表大会(全人大)常務委員の呉邦国・委員長も出席するなど、中国政府が中国独自規格のTD−SCDMAに本腰を入れていることを印象付ける内容となった。』

とのこと。


 ITU TELECOM WORLDがスイス以外で開催されるのは今回が初めてという点に、中国の勢いを今更ながら感じます。


 次に、

 『中国国内で「TD熱」が高まる中、参加した海外関係者からは中国の独自路線に苦言を呈する発言も聞かれた。中でも、EU(欧州連盟)情報社会・メディア政策部門のビビアン・レディング委員が「中国は世界の通信標準の策定に参与するべきで、自国だけの標準を採用すべきではない」と発言したことには注目だ。中国政府が舵取りをして中国独自標準の商用化を進めていることに対し、「政府が標準を制定すべきではない。自由で公平な競争の下で標準制定が行われるための法環境を整備することこそが必要だ」と訴えることにより、ヨーロッパで主流となっているW−CDMA規格への影響を考慮したものと思われる。

 現在、3Gの世界標準は、ヨーロッパのW−CDMA、アメリカのcdma2000、中国が自主開発したTD−SCDMAの3種。07年前半に中国でTD−SCDMAの商用化がスタートすれば、ノキアエリクソン等ヨーロッパの通信機器メーカーが中国メーカーに遅れをとるのではないかという指摘もある。情報化社会を自国標準で構築したい中国にとって、既存2規格へ切り込んでいくためには、政府主導は必須の方程式ということになる。』

とのこと。


 中国は世界最大のマーケットであり、WTO/TBT協定、特許の問題もあり、中国携帯電話の3G方式は、日米欧韓の通信メーカの最大の関心事であります。



  先日紹介したCIPOのセミナーで内閣官房知的財産戦略推進事務局の藤田昌宏次長さんが、『国際標準総合戦略(案)』の28頁から(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/dai15/siryou2-2.pdf)から、

『中国では、「三流の企業は製品を作り、二流の企業は技術を開発し、一流の企業は標準を作る」と言われるように、標準の重要性が認識されている。』

の言葉を引用されましが、上記記事などによりこの言葉が裏付けられると思います。


追伸:<参考になった他のニュース>
●『第96回「卓越した『技術』『技』『マインド』の伝承は知的財産経営の重要課題――セイコーインスツル 技術本部に聞く(下)」(2006/12/08)』
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/soumu/rensai/senshin_chizai.cfm
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/soumu/rensai/senshin_chizai.cfm?p=2