●弁理士会の会員研修「知的財産訴訟における諸問題」

  今日は、午後から弁理士会の会員研修『知的財産訴訟における諸問題』に出席してきました。場所は、いつもの瀬尾ホールです。前の座席はほとんど一杯でしたので、後ろの方の席で、知り合いの弁理士の隣で受講しました。


 講師は、画期的な判決である

●格安映画ソフトDVD事件の『平成18(ヨ)22044 著作権仮処分命令申立事件 著作権 民事仮処分 平成18年07月11日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060711150453.pdf)」や、

●まねきTV事件の「平成18年(ヨ)第22022号著作隣接権仮処分命令申立事件」(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060807104814.pdf

 等を出された東京地方裁判所の高部眞規子判事です。


 内容は、弁理士登録後数年の弁理士が対象?ということで、知的財産訴訟の基本的なことがほとんどでしたが、高部判示が歯切れの声で説明されて、後ろの方の席でもハッキリと声が聞こえ、とても良かったです。ただ、もう少し、上記事件等の最近東京地裁から出された注目判決について掘り下げて説明されたり、裏話が聞けたら、更に良かったのではと思いました。


 さて、高部判示の説明ですが、最近の侵害事件では、ほとんど被告側が104条の3による権利濫用の抗弁を主張することや、原告側は均等論自体の主張が少ない等を言っておられました。


 また、最近は、特許を受ける権利の帰属の確認等の権利の帰関係の問題が多いことや、職務発明事件は、個人VS企業となるので、原告側の代理人選定の難しさや、訴訟の準備不足、企業側のガードの高さ等から必要な書証が出にくく、最近は補償額が小さくなっていると言っておられました。


 なお、最後に、代理人や補佐人には、技術論から法律論への橋渡しとして分りやすい準備書面を作成することや、書証の厳選等を最後に言っておられました。



追伸;<参考になったニュース>
●『「優れた研究開発」,「良い製品」だけではグローバル市場に勝ち残れない 
先進企業が注目する標準化技術の獲得と知的財産経営の実践 』
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/20061201.html
●『プリペイド携帯技術めぐり、大手通信企業を特許侵害で提訴』
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/04/news015.html
●『独DVDディスクメーカーが敗訴=MPEG―2特許侵害〔BW〕』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061204-00000042-jij-biz
http://www.mpegla.com/news/n_06-11-30_pr.pdf
●『国内大手が08年にDVDプレーヤーの生産停止−独自規格EVDの製品生産に特化− (中国) 2006年12月4日
http://www.jetro.go.jp/topics/43340
・・・中国のDVDメーカは、6Cメンバや3Cメンバの日米欧のメーカーに多額のライセンス料を払っているので、独自規格EVDを採用したいという以前から言っていましたが、とうとうでしょうか?