●『エコスター、DVRの差し止めへ〜ティーボ特許侵害で』の記事

 8/18付けのUSFL.COMに,『エコスター、DVRの差し止めへ〜ティーボ特許侵害で』(http://www.usfl.com/Daily/News/06/08/0818_023.asp?id=50087)の記事が掲載されています。


 この記事によれば、DVDレコーダ(DVR)の製造のティーボ(TiVo)が衛星放送会社エコスター・コミュニケーションズ(EchoStar Communications)を相手取り、特許侵害を理由にDVR販売差し止めを求めていた裁判で、テキサス州連邦地裁はティーボの訴えを認め、エコスターに向こう30日以内に顧客世帯に設置されたDVRの機能を無効にするよう命じる共に、追加損害賠償として約1032万ドルの支払いを追加し、賠償金額は合計約9000万ドルとなった、とのことです。


 しかし、エコスターが事前に特許侵害の可能性について外部専門家に意見を求めていたため、故意侵害は成立せず、ティーボが求めた3倍賠償は却下されたとのことです。


 これに対し、エコスターは、今回の差止め命令の判決を不服として、差し止め命令の阻止を求める控訴する、とのことです。


 こうなると、ちょうど今年の5月くらいに米国最高裁判所で下された『ebay VS メルクエクスチェンジ』の事件で、メルコム側が求めていた差止め命令が最高裁で覆り、却下された事件が思い出されます。


 しかし、今度は、メルクエクスチェンジのように特許管理会社(パテントトロール)VS ネット取引大手メーカのebayではなく、メーカVSメーカの競合相手同士ですので、もしかすると、このまま、差し止め命令が認められるかもしれません。

 なお、『ebay VS メルクエクスチェンジ』の連邦裁判所の結果について論評した『米で「特許差し止め」の乱用に待った!』(http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060525/102508/)の記事の1頁〜2頁には、

1.回復不可能なほどの損害を被ったこと
2.金銭的賠償だけでは救済が不十分であること
3.原告及び被告が受けたそれぞれの辛苦を比較考慮すること
4.差し止めを行っても公益が損なわれないこと

の差止め命令を認めるための4要件が記載されていますので、参照して下さい。


 さて、今回の『ティーボ VS エコスター』の事件では、どうなるでしょうか?