●『ビッグ対談:放送・通信融合を語る!(1)(2)』

 今週末は、知財ネタから離れようとネットサーフィン。


 『RF−ID』という言葉から『WBB Forum』のサイト(http://wbb.forum.impressrd.jp/)を見つけ、『ビッグ対談:放送・通信融合を語る!』というコラムを発見。
 

 放送と通信の融合は、仕事的にもかなり関係しており、個人的にとても興味あり。


 さて、このビッグ対談の一方の村井純慶応大学教授は、日本版インターネット普及の第一人者。


 他方の亀山渉早稲田大学教授は、MPEG等の映像符号化の日本の第一人者。まさしく通信と放送の第一人者同士、私学の雄同志のビッグ対談。


 米国で言えば、ビルゲイツ氏と、うーん、レオナルド・キャリリオーネ(Leonardo Chiariglione)氏という感じ?


  「ビッグ対談:放送・通信融合を語る!(1)』(http://wbb.forum.impressrd.jp/feature/20060713/100)では、

『放送と通信の境界はどこなのでしょうか?』という問いに対し、
亀山氏は『技術的な観点から見ると、基本的には放送も通信も根っこは一緒であって、たまたま違う媒体あるいは技術、モノを使ったために、お互いに違う方向にサービスが発展してしまったというのが実情なのです。
 それは、ある意味でアナログ技術の限界なのですね。つまり、放送がデジタルになった瞬間に、アナログの制約を超えてしまったのです。たとえば、放送(電波)でデジタル技術によってブロードキャストする場合に、上手に暗号方式などを使うと特定の人にも送れるブロードキャストができます。
 実際、CS(通信衛星)を使ったCSデジタル放送は、暗号化してデジタル・コンテンツ(番組)を送っているため、これは実は放送ではないという解釈もあります。放送しているのに、「番組を暗号化して、不特定多数の人が受けられるようにしている」から通信だ、というわけです。
 そう考えてみると、もう媒体によって実は通信だとか、放送だというような区別があったアナログ時代はまさにデジタル化を迎え、これに私が関わってきたMPEG(画像圧縮)をはじめとするさまざま技術革新があったために、一気に通信と放送の垣根が取り払われるようになってきました。
 旧来の放送媒体を使っても通信はできるし、旧来の通信媒体を使って放送もできる。もちろん村井先生がおっしゃったように、技術的にインターネットのマルチキャストを使うと、リアルタイム性の問題は若干あるにしても、原理的にはどちらの媒体であっても、どちらのサービスも可能な時代になってきているのです。

 放送と通信は、今まさにコンテンツが媒体から独立しつつある(放送媒体でも通信媒体でもコンテンツを流せる)ということと、さらに提供されるサービスが媒体から独立しつつあるということに、直面しているのです。」(以上、本対談より抜粋)

 と。


  「ビッグ対談:放送・通信融合を語る!(2)」(http://wbb.forum.impressrd.jp/feature/20060724/171)では、

 村井氏『35Mbpsという高速なインターネットに接続されたコンピュータの上で、映像を自由にやり取りできるという環境のもと、プログラマーや、アイディアをもった次世代の人たちに、新しいことを思いついてもらいたい。その夢を持って何か挑戦してもらいたいというのが、僕の思いなのです。とりあえず何か新しいことを思いつく人に、そういう夢を実現できる大学の環境をきちんと渡したいのです。

・・・

 このように、高速ネットワークが先に進んだときに、高速ネットワークのテスト用としても、実は映像のストリームというのは大事なのです。この映像ストリームの極限を、絶えず共有して研究する環境の中で、新しい映像を使ったサービスを考える学生がどんどん出てきてほしいのです。
 そして、これが本当のビジネスになるときには、必ずもっと洗練された、圧縮技術や信頼性を高める技術などがでてくるわけです。
 このような発想をもって、新しいサービスを作る次世代を担う学生に、早くから映像が自由自在に使える高速インターネットを経験させておかないといけません。5年早く経験しておけば、5年後には洗練された良いアイディアがやっぱり出てくる。そういうことなのです。』(以上、本対談より抜粋)

 と。


 5年後の20011年には、放送が完全にデジタル化へ。携帯電話は移動時でも通信速度が数十Mbps以上の第4世代(4G)へ。まさしく、放送と通信が融合。どのようなビジネスが誕生しているのでしょうか?