●『求意見制度』

 パテントサロンを読んでいたら、『■求意見制度 特許庁長官に意見要請=新制度、初ケース−「ひよ子」立体商標訴訟・知財高裁』(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060811-00000139-jij-soci)という記事が掲載されていました。


 この記事によれば、「ひよ子」の菓子に立体商標登録を認めた特許庁の審決に対し取消しを求めた訴訟で、知財高裁(中野哲弘裁判長)が平成15年法改正で新設の「求意見制度」に基づき、同庁長官に意見書の提出を求めていたとのことで、本制度の適用は今回が初めてとのことです。


 『求意見制度』と聞いて平成15年改正法により導入された制度と頭に浮かんだのですが、条文は浮かびませんでした。


 法令集で調べると、特許法180条の2に規定されており、具体的には、

「(審決取消訴訟における特許庁長官の意見)
第百八十条の二  裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴えの提起があつたときは、特許庁長官に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を求めることができる。

2  特許庁長官は、第百七十九条ただし書に規定する訴えの提起があつたときは、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を述べることができる。

3  特許庁長官は、特許庁の職員でその指定する者に前二項の意見を述べさせることができる。」

と規定されています。


 つまり、179条ただし書の無効審判等の当事者系審判の審決取消訴訟の場合は、裁判所が特許庁に意見を求めること(「求意見」同条1項)、または、裁判所の許可を得て特許庁が裁判所に意見を述べること(「意見陳述」同条2項)ができることを規定したものです。


 私も含め、平成15年改正前の試験合格者は、特許庁の資料の「平成15年改正法における無効審判等の運用指針」(http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/mukou-sinpan_mokuzi.htm)をしっかり理解する必要がありますね。


追伸:<気になったニュース>
●『ナノテク特許の国際比較、日本は医療で遅れ・科学技術政策研』
http://bizplus.nikkei.co.jp/news/index.cfm?i=2006081405753b1