●『平成18(ワ)4428等 損害賠償請求事件 特許権 東京地裁』

 土日、夏風邪を引いてダウンしてしまいました。
 さて、今日は、『平成18(ワ)4428等 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 平成18年06月30日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060630185131.pdf)について、コメントします。


 本件は、被告が原告の特許に対し行った異議申立てを取引基本契約違反等として損害賠償を求めた事件で、その訴えは、棄却されました。


 裁判所は、本件基本契約違反に基づく損害賠償請求について、
『(1)原告が平成6年1月14日,被告との間で,本件基本契約(甲10)を締結したこと,及び本件基本契約の前文は,原告と被告は,原告被告間における請負又は物品の売買取引に関し,相互の利益を尊重し,かつ信義誠実の原則に従った契約の履行を確保するため,この取引基本契約を締結する旨定めていることは,当事者間に争いがない。
(2) 原告は,本件異議申立ては本件基本契約に違反してされた旨主張する。しかしながら,本件基本契約は,ライセンス契約において多く見られるようなライセンシーはライセンサーの特許権につき無効審判請求等を行わないことを定めた条項を有していないし(甲10),原告が指摘する本件基本契約の前文も,各種契約において定型的に規定されている内容を超えるものではないから,本件異議申立てをもって,本件基本契約に違反するものと認めることはできない。
(3 ) したがって,原告の本件基本契約違反に基づく損害賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がない。』
と判断しました。


 ライセンシーに無効審判等の行わせないような、いわゆる不争条項の契約は、日本の場合、独占禁止法違反になると思っていたのですが、裁判所は、本事件ではこの点について何も触れられていませんでした。


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