●『平成18年度法改正説明会テキスト』

 今日は、昨日特許庁から公表された『平成18年度法改正説明会テキスト』(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/ibento/text/h18_houkaisei.htm)について、コメントします。
 

 この改正テキストには、特許制度の見直しとして、

(1)分割の時期的制限の緩和
  特許査定後又は拒絶査定後の一定期間(30日)にも分割出願可能(特許法第44条)。
  よって、拒絶査定を受けた場合、拒絶査定後の30日だけでなく、拒絶査定に対する審判請求日から30日の場合も、従前のように分割出願可能。
(2)分割出願の補正の制限
  もとの出願に通知された拒絶理由が解消されていない分割出願等(親出願も含まれる思います)には、最初の拒絶理由通知時から、最後の拒絶理由が通知された場合と同じ補正制限を課す(特許法第50条の2等)←米国のファーストファイナル拒絶に近いもの。
  ※この改正テキストでは「もとの出願等・・・分割出願には、・・・」と記載されていますが、「もとの出願・・・分割出願等には、・・・」の間違いではないかと思います。
(3)シフト補正の禁止
  拒絶理由を受けた後は、審査の対象を技術的特徴の異なる別発明に変更する補正(シフト補正)は禁止(特許法第17条の2第4項)。
(4)外国語書面出願の翻訳文提出期間の延長
  翻訳文提出期間は、優先日から1年2月へ。
(5)共通改正項目
  輸出の定義規定の追加(特許法第2条3項等)、譲渡等を目的とした所持の侵害とみなす行為への追加(101条)、刑事罰の強化(196条)。

等が記載されています。


 この改正テキストでは、各改正項目につき、現行制度の問題点や、改正の内容、施行時期がコンパクトにまとめられています。なお、今の所、本改正法の施行時期は、来年の4月1日と聞いています(間違っていたら済みません。) 


 なお、分割時期の緩和や、シフト補正の禁止等の改正の詳細な経緯や趣旨は、『補正制度及び分割出願制度の見直しの方向について』(http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/strategy_houkoku/houkoku.pdf#search='%E8%A3%9C%E6%AD%A3%E5%88%B6%E5%BA%A6%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%88%86%E5%89%B2%E5%87%BA%E9%A1%98%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AE')に詳細に記載されています。