●『平成17年(行ケ)第10608号特許取消決定取消請求事件』

今日は、『平成17年(行ケ)第10608号特許取消決定取消請求事件(平成18年6月6日口頭弁論終結)』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060620172338.pdf)についてコメントします。


 本事件は、異義申立を受けた際にした、いわゆる『除くクレーム』の訂正が新規事項の追加等と判断され、特許が取消された取消決定の取消しを求めた訴訟です。


 本取消訴訟で、原告は、「不可避的不純物として含まれる量を超える量のアルミニウムを含まない」という訂正が新規事項の追加に該当し許されないとしたことについて、本件訂正の適法性についての判断を誤った点と(取消事由1)、本件訂正は先行発明との重なりを除くためのいわゆる「除くクレーム」として明細書に記載した範囲内の事項として扱われて適法であるにもかかわらず、訂正が許されないとして本件訂正の適法性についての判断を誤った点と(取消事由2)、本件訂正発明の進歩性についての判断を誤った点(取消事由3)とを取消し事由として訴えましたが、裁判所は、特許庁の取消決定に違法性は無いとして、原告の訴えを棄却しました。


 なお、本判決は、あくまで、本件訂正が新規事項の追加であり、また本件訂正によっても引用発明との重複部分が除かれなかったので、取消し決定の判断に違法性がなかったということであり、「除くクレーム」の訂正自体を認めないというものではありません。


 詳細は、上記判決文を参照して下さい。


追伸;<今日、参考等になったニュース>
●『W杯需要でテレビ出荷台数が12カ月ぶりにプラス---民生用電子機器の出荷実績より』
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060621/118386/
●『モトローラNTTドコモなど、モバイルLinuxの業界団体を設立』
http://www.computerworld.jp/news/mw/42202.html
●『米国政府機関、紙文書の電子データ化にようやく本腰』
http://www.computerworld.jp/news/trd/42322.html
●『「新規性・進歩性」の審査基準改訂について 』
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_tokkyo/shinsa/sinkisei_sinposei.htm
・・・用途発明等の審査基準が若干改定されたようです。
●『平成18年度意匠法等改正説明会の開催について』
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/ibento/ibento2/h18_isyou_kaisei.htm
・・・ぜひとも受講したいですね。
●『ウォルマート、カナダでRFIDのテストを今秋から開始 』
http://www.computerworld.jp/news/mw/41522.html
●『米国政府、製薬業界にRFID導入を義務づけ』
http://www.computerworld.jp/news/mw/42301.html
・・・ユビキタス社会が少しずつ実現されてきいますね。