●米国特許法の102条(e)項

 米国特許法の改正がなかなか通らないようですが、現在の米国中間処理の際、いやらしい拒絶理由の一つとして、102条(e)項の拒絶があります(この点でも早く米国特許法の改正が決まって欲しいものです。)。


 米国特許法の102条(e)項は、後願出願時未公開の先願による拒絶理由であり、日本国特許法の第29条の2、欧州特許法の第54条(3)項が相当します。


 ただし、出願人同一や発明者同一の適用除外や、進歩性(非自明性)の引例への適用で各国取扱いが異なり、外国特許担当者にとっていやな条文の一つです。


 これらの違いは、外国特許法の解説書にもかかれていますが、自分自身の記憶の整理のため簡単にまとめると以下のようになります。尚、間違っているようでしたら御指摘願います。


●日本29条の2   ・・・出願人同一または発明者同一の場合には、適用が
              除外される。
●米国102条(e)項・・・発明者同一(完全同一)の場合のみ適用が除外さ
              れる。
●EP54条(3)項  ・・・出願人同一または発明者同一の場合でも適用される。
              ただし、先後願の指定国が重複しない場合は適用が
              除外される(54条(4))。


 なお、米国特許法の102(e)項が適用された先願は、103条(非自明性)の先願ともなり、他の引例と組み合わせて103条(非自明性)が適用される場合が結構あり、この場合は非常にいやですね。


追伸;気になったニュース
●『Samsungソニーが第8世代の液晶パネル工場建設へ,2007年秋の稼働目指す』(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060410/115929/
●『液晶テレビの動画表示向け新パネル技術,日立が開発』
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060410/115928/
●『日本ビクター,「新GENESSA」を搭載する液晶テレビを拡充』(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060406/115840/
 ・・・なお、ビクターの上の記事によれば、日立と、ビクターの120Hzの高速駆動は、方式が異なるようです。
●『充実した審理と高い専門性で知的財産権を保護−知的財産高等裁判所 所長 篠原勝美氏インタビュー(上)[2006/04/10] 』(http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/shinohara20060410.html