●「技術シーズ」と「技術ニーズ」

 昨日、NTTドコモの中村社長の「明日の技術シーズを求めて」という記事を引用やコメントさせて頂きましたが、もう少しコメントを。


 「技術シーズ」というと、その反対の「技術ニーズ」という語が浮かんでくると思います。


 「技術シーズ」とは、「技術の種」のことで、発明という点からみると、基本発明や新規なコンセプトを提案するコンセプト発明が該当するものと思っています。新たな「種」の提案であり、他社技術や既存技術とベクトルの方向が異なる発明だからです。


 一方、「技術ニーズ」は、「技術の必要or要求」ということになり、発明という点からみると、改良発明等が該当するのではと思います。技術の要求(例えば、高速性等)は、たいてい認識されており、他社や既存技術とベクトルの方向が同じ発明だからです。


 でも、「技術シーズ」を狙う基本発明も、「技術ニーズ」を狙う改良発明も、我々、特許実務者からすると、共にその扱いは重要と思います。これは、基本発明は、そのコンセプトをなるべく広く権利化をする必要がある一方、改良発明は、競争が激しいですので、既存技術等との差異を明確にした上でなるべくて広く権利化をする必要があるからです。


 追伸;日本弁理士会からも以下の意見が4/6付けで掲載されていました。
 ●『知的財産推進計画2006に盛り込むべき政策事項に対する意見(日本弁理士会)』(http://www.jpaa.or.jp/appeal/public_comment20060329_02.html)