●平成24年(ネ)第10012号 特許権侵害差止等請求控訴事件

 本日は、『平成24年(ネ)第10012号 特許権侵害差止等請求控訴事件 特許権 民事訴訟 平成24年7月18日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120720134310.pdf)について取り上げます。


 本件は、特許権侵害差止等請求控訴事件で、本件控訴が棄却された事案です。


 本件では、争点3(均等)についての判断が参考になるかと思います。


 つまり、知財高裁(第2部 裁判長裁判官 塩月秀平、裁判官 池下朗、裁判官 古谷健二郎)は、


『3争点3(均等)についての原判決判断の冒頭部分(原判決26頁〜27頁の(2)の説示部分)を,次のとおり改め,34頁11〜14行目を削る。


「しかしながら,特許発明の出願人が,特許出願手続において,被疑侵害方法,本件でいえば説明書記載方法が特許発明の技術的範囲に属しないことを承認し,又は外形的にそのように解釈されるような対応に至った場合には,出願人は,説明書記載方法を特許請求の範囲から意識的に除外したものとして,説明書記載方法が均等なものと主張することはできないと解すべきである。この見地に立って,以下の事実関係からみれば,本件特許においては,出願手続において,第1のスリットの水平方向の幅が第2のスリットの水平方向の幅より小さいものを意識的に除外したものと解すべきであり,説明書記載方法が本件特許発明1の方法と均等な方法であると認めることはできない。


第5結論

 以上によれば,その余の点につき判断するまでもなく,控訴人の請求は理由がなく,これを棄却した原判決は相当である。よって,主文のとおり判決する。』

 と判示されました。