●平成22(行ケ)10189 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟

 本日は、『平成22(行ケ)10189 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟「細穴放電加工機に対する電極,電極ガイド交換方法及び同方法に使用する交換装置,電極ホルダ,細穴放電加工機」平成23年02月22日 知的財産高等裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110223091632.pdf)について取り上げます。


 本件は、特許無効審判の認容(無効)審決の取消を求めた審決取消訴訟で、その請求が棄却された事案です。


 本件では、取消事由1(特許法153条1項の解釈適用の適否)についての判断が参考になるとかと思います。


 つまり、知財高裁(第2部 裁判長裁判官 塩月秀平、裁判官 清水節、裁判官 古谷健二郎)は、


『1 取消事由1(特許法153条1項の解釈適用の適否)について

(1) 特許法153条1項が,審判手続における職権探知主義を採用しているのは,審判が,当事者のみの利害を調整するものではなく,広く第三者の利害に関する問題の解決を目的とするものであって,公益的な観点に基づく解決を図る必要があることによるものと解される。そのような観点から行われる職権の発動は,基本的に適法なものとして許容されるべきであり,これを補完的かつ例外的な場合に限定し,それ以外の場合には違法とすべきとする原告の主張は採用することができない。そして,本件審判手続において,職権による無効理由について審理したことに関し,特に違法とすべき点は認められない。


(2) 原告は,審決が引用刊行物1及び2について判断したことは,無効審判請求がないのに職権で本件発明を無効にすべきものと判断したことに相当する旨主張する。


 しかし,審決が無効とした本件特許の請求項13は,被告による無効審判請求の対象であるから,特許法153条3項に反することはない。本件においては,職権で審理する無効理由を,当事者に通知した上で(同条2項),無効と判断したものであるから,審決に手続上の違法な点はなく,原告の上記主張は理由がない。


 以上のとおり,取消事由1については理由がない。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照して下さい。