●平成20(ワ)25956 不正競争行為差止等請求事件 不正競争(2)

 本日も、昨日に続いて、『平成20(ワ)25956 不正競争行為差止等請求事件 不正競争 民事訴訟  平成22年09月17日 東京地方裁判所』(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100922100123.pdf)について取り上げます。


 本件では、原告の損害額(争点3)についての判断も参考になるかと思います。


 つまり、東京地裁(民事第46部 裁判長裁判官 大鷹一郎、裁判官 大西勝滋、裁判官 石神有吾)は、


『2 原告の損害額(争点3)

(1) 前記1(1)によれば,原告商品の前記1(1)イ(ア)の形態は,被告商品の販売が開始された平成19年11月26日の時点において原告の周知の商品等表示(商品表示)となっていたということができるから,被告は,被告商品の販売行為が不競法2条1項1号の不正競争行為に当たり,これによって原告の原告商品の販売に係る営業上の利益を侵害することを知っていたか,少なくとも知らなかったことにつき過失があったものと認められる。


 したがって,被告は,原告に対し,不競法4条に基づき,上記侵害行為によって原告が受けた損害を賠償する責任を負うというべきである。


(2) 原告は,被告が,平成19年11月26日から平成20年8月末日までの間に,被告商品を,1本当たり1480円の価格で合計9万本販売して,合計1億3320万円を売り上げ,その30パーセントに当たる3996万円の利益を受けた旨主張する。


 このうち,被告が,上記期間内に,被告商品を合計9545本販売し,合計582万7440円を売り上げ,183万6180円の利益(粗利益)を受けたことは,被告が自認するところであり,当事者間に争いがない。


 他方,被告が,被告商品の販売によって上記利益の額を超える額の利益を受けたことを認めるに足りる証拠はない。


 そうすると,本件において,被告が被告商品の販売によって受けた利益の額として認定し得るのは,上記のとおり当事者間に争いのない183万6180円の限度にとどまるものであり,その金額が,不競法5条2項により,被告の上記侵害行為によって原告が受けた損害の額と推定されるものである。


3 結論

 以上の次第であるから,その余の点について判断するまでもなく,原告の被告に対する本訴請求のうち,被告商品の譲渡等の差止請求に係る部分は理由があるからこれを認容することとし,損害賠償請求に係る部分は,183万6180円(前記2(2))及びこれに対する訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成20年9月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容することとし,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。』


 と判示されました。


 詳細は、本判決文を参照してください。