●判例検索システム(知的財産裁判例集)(2)

 昨日紹介した判例検索システム(知的財産裁判例集)のサイトで、右上の「最近の知的財産判例一覧表示」というリンクの個所をクリックすると、その字句通り、最近の知的財産判例の一覧が表示されます。


 特許や不正競争防止法行政訴訟民事訴訟、裁判所までもゴチャゴチャですが、とにかく最近の知的財産権判例の一覧が表示されますので、とても便利です。


 ちなみに、今日、クリックしてみたら、最新の判例として表示されていた判例は、「平成18(ワ)2440 商標権確認等請求事件 商標権 平成18年05月09日 東京地方裁判所」でした。

 とにかく、便利になりました!
 最近の知財判例を勉強するには、とても役立ちそうです。


 追伸1:「通りすがり」様、4/29日の2度目のコメントに対し、回答送れて誠に済みませんでした。

 「通りすがり」様の質問されている「日本の判例で、審査基準の本質を争点にして勝ったもの」の回答になっているかはわかりませんが、例えば、補正の際の新規事項の審査基準の変更は、どうでしょうか?


 つまり、以前の審査基準では、「願書に最初に添付した明細書または図面に記載した事項」とは、確か、明細書等に記載されている事項の他、明細書等に記載されている事項から「直接的かつ一義的」な事項を含む等と規定されていたものと思います。


 しかし、現在の審査基準の「明細書、特許請求の範囲又は図面の補正」の「第1節 新規事項」(http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/tjkijun_iii.pdf)では、「当初明細書等に記載されている事項だけでなく、明細書等に記載されている事項から自明な事項も含む」、というように、「直接的かつ一義的」から「自明な事項」と緩和する方向に変更されました。

 
 これは、その審査基準にも記載されているように、例3の「東京高判平13.5.23(平成10年(行ケ)第246号審決消請求事件「コーティング装置」)」や、例4の「東京高判平14.02.19(平成10年(行ケ)第298号実用新案権取消決定取消請求事件(バッテリによる給電回路)」の審決取消訴訟事件等における裁判所の判断を基に、特許庁が従前の審査基準を変更したものと思います。ある意味、出願人や代理人の努力の結果と思います。


 また、訴訟まで言っているかはわかりませんが、特許庁が審査基準等を変更して「媒体特許」や「プログラム特許」、「データ構造」の特許を認めたのも、これらについて審査基準等で認められる前から出願人が積極的に請求項に記載して出願をしてきた結果かと思っています。


 追伸2;<今日、参考になったニュース>

●『5月9日付・読売社説(2)[特許迅速化]「審査の遅れが『知財立国』を脅かす」』
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060508ig91.htm
●『平成17年度 特許出願技術動向調査の結果について』
http://www.meti.go.jp/press/20060510002/doukouchousa,part4-set.pdf
●『シリーズ:企業経営と知的財産(4)「ものづくり」を支援する「知恵づくり」が知財活動の本質 豊田合成青色LEDの研究開発・事業化における知的財産の意義(下)』
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/ota20060510.html