●「意匠法等の一部を改正する法律案」について−特許法編(3)−

 昨日の続きですが、新たに設けられた特許法第50の2は、


 第五十条の二(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)  
 審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第四十四条第二項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなつているものに限る。)についての前条(第百五十九条第二項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知(当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたものを除く。)に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。

と規定されています。


 つまり、審査に係る当該特許出願(親出願または分割出願)の審査において、分割の条件を満たす他の特許出願(親出願または他の分割出願)で受けた同一の拒絶理由があるときは、その拒絶理由も併せて通知され、改正された17条の2第5項のカッコ書きにより、最初の拒絶理由通知時から、最後の拒絶理由通知時や審判請求時と同様に、改正17条の2第5項各号の特許請求の範囲の目的の制限を受けることになります。


 なお、50条の2で「他の特許出願(当該特許出願と他の特許出願の少なくともいずれ一方に第四十四第二項の規定・・・に限る。)」と言い、「分割出願」等と言わないのは、出願後、自発的に分割出願をして、親出願より先に分割出願の方を審査請求をしたり、その逆の場合があり、親出願と分割出願のどちらが先に審査に入るかは、ケースバイケースで一概に言えないからであると思います。