●ブラックボックス化戦略と特許化戦略について

 3/28付けの知財Awarenessに「日本の電子機器メーカー,東アジア進出に向け 知財ガバナンスと情報セキュリティが重要に」(http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/asia20060328.html)という記事が掲載されています。
 その中に、「ブラックボックス化戦略と特許化戦略は事業戦略に合わせて使い分けを」として、
知財戦略を検討する際は,このようなそれぞれの戦略の利点と欠点をよく理解し,自社の事業戦略に合わせて使い分けることが肝要である。例えば,特許化できた場合に侵害の立証や権利行使が容易か否かを吟味し,侵害の立証が困難な場合は多い製造技術などはブラックボックス化戦略,侵害品が入手しやすく立証が容易な製品技術は特許化戦略を採るといった使い分けをしていくと良い。」 
 と記載されています。

 また、このようなブラックボックス化戦略と特許化戦略の使い分けを実践している企業として,シャープが紹介されており、

「このようなブラックボックス化戦略と特許化戦略の使い分けを実践している企業として,シャープを挙げることができる。同社は,基幹技術や基幹部品,製造装置についてはブラックボックス化戦略を適用している。この時,ブラックボックス化戦略においては情報セキュリティ・マネジメントが大切なため,これを徹底している。工場に納入する製造装置の設計・納入を1社に任せずにパーツに分割して数社に発注するなど,コスト増を甘受しても,製造装置に関する機密情報を分割して全体像を第三者に知られないようにしている。一方で,ライセンス供与やクロス・ライセンスが自社の事業拡大につながると判断できるような技術に関しては,積極的に特許化戦略を適用している。」

と記載されています。

 ブラックボックス化戦略と特許化戦略との使い分けは、企業の知財戦略としてとても参考になります。

(※以上、「」内は、3/28付けの知財Awarenessの記事から抜粋。)


追伸1;
「次世代BluetoothはWiMediaで、高速版Bluetoothの伝送技術がついに決定」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060329/115527/?ST=mobile)の記事に、Bluetoothの標準化団体であるThe Bluetooth SIGは、次世代高速版Bluetoothの伝送技術として,業界団体The WiMedia Allianceが推進する、超広帯域を利用するUWB技術であるマルチバンドOFDMを使うことを明らかにしたと掲載されています。これからの近距離高速無線通信は、UWBということでしょうか?気になります。


追伸2;
「【信学会】ITSの標準化動向,赤外線や通信衛星の利用に注目が・・・」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060327/115482/)の記事を読むと、自動車の世界でも、標準化争いが凄いようですね!